地域美術研究部会過去の活動

日時
2016年11月11日(金) ~2016年11月12日(土)
場所
栃木県立美術館 、群馬県立近代美術館、アーツ前橋

第5回地域美術研究部会会合報告

 第5回地域美術研究部会は、関東ブロックの栃木県立美術館(11日)、群馬県立近代美術館(12日)、アーツ前橋(12日)で2日間にわたって開催された。初日の栃木県立美術館では、開催中の展覧会「旅するイギリス美術」展を自由観覧後、部会長の西村勇晴氏の挨拶によってスタートした。
 栃木県立美術館の杉村浩哉氏による発表「関谷富貴の『発見』と展示公開」は、生涯「画家の妻」として夫の画業を支えた関谷富貴という女性による絵画作品百数十点の「発見」と収集、「妻の遺した秘密の絵 関谷富貴の世界」展(2011年4月23日~6月19日)での展示についての報告であった(発表聴講後、収蔵庫で作品を実見)。既存の美術史の中で、また地域美術の領域においてもこれまで文脈づけられてこなかった作品を、その魅力に基づいて紹介し、美術館の基本方針との整合性について周囲を説得しながら美術館を取り巻く様々な立場の人々の間で認知を広めていくという地方美術館の活動の王道のようなプロセスをご紹介頂き、勇気づけられた。質疑応答では作品の輸送や予算確保といった実務的な質問も提出された。ディスカッションでは、全国の美術館の所蔵品(日本近代絵画)について、制作者の出身学校(画派)、画題、様式などの項目別に所蔵状況を問うアンケートを行ってはどうかという案が名古屋市美術館の山田諭氏から提出された。具体的な項目や対象とする範囲についてなど、議論は翌日に持ち越された。また、これまでの部会での発表に基づく記録集の作成が提案された。
 2日目は群馬県立近代美術館の田中龍也氏による発表「『群馬NOMOグループの全貌』展の開催まで-60年代の地域美術を今とりあげる必要性について」からスタート。前橋にオープンした画廊での企画展を契機として出発したNOMOグループの全容について紹介頂いた。作品自体に今日に通じる様々なテーマが扱われているのみならず、定職を持ち、各自で県展出品なども続けながら前衛芸術活動を行うという同グループのスタイルは、戦後社会における「芸術」の現実的なひとつのあり方を示すものであった。発表終了後、同館で開催中の「美術と音楽」展を鑑賞。   
 アーツ前橋のご厚意によるシャトルバスで同館へ移動。同館の吉田成志氏による発表「NOMOグループ金子英彦と加藤アキラの活動について」を聴講。同館で2017年に開催予定の加藤アキラ展準備に絡め、金属を中心とした作品を制作する加藤アキラの作品と、NOMOグループの発端を作った「山田画廊」のオーナーであり思想上の中心でもあったと考えられる金子英彦との関係などについて詳細な年表とともにご紹介頂いた。
 ディスカッションでは前日に引き続き全国の美術館へのアンケート送付と記録集の作成が議題となり、アンケートについては次回の総会で草案をもとに検討すること、記録集は作成することが決定した。
 同館で開催中の「フードスケープ展」を鑑賞し、解散した。  
(吉田暁子 福岡市美術館)

出席者:18名(11日のみ8名)

発表者:杉村浩哉(栃木県立美術館) 
    田中龍也(群馬県立近代美術館)
    吉田成志(アーツ前橋)
部会長:西村勇晴(北九州市立美術館館長)
幹 事:山田 諭(名古屋市美術館) 
幹 事:泰井 良(静岡県立美術館)
山梨俊夫(国立国際美術館)
江川佳秀(徳島県立近代美術館)
川浪千鶴(高知県立美術館)
迫内祐司(小杉放菴記念日光美術館)(11日のみ)
折井貴恵(川越市立美術館(11のみ)
オブザーバー
吉田暁子(福岡市美術館)
小林豊子(事務局)
11日のみ
木村理恵子(栃木県立美術館)
飯村直久(栃木県立美術館)
鈴木さとみ(栃木県立美術館)
志田康宏(栃木県立美術館)
石田友里(栃木県立美術館)
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