学芸員研修会

日時
2016年3月14日
場所
国立西洋美術館 講堂
〒110-0007
東京都台東区上野公園7-7
TEL:03-3828-5131(代表)
主催
全国美術館会議 担当:美術館運営制度研究部会

第30回学芸員研修会

テーマ:「美術著作権の現在」「美術館の行動基準」
日 時:2016年3月14日(月)10:00~17:00
会 場:国立西洋美術館 講堂
主 催:全国美術館会議 美術館運営制度研究部会

内  容

 このたびの学芸員研修会は、美術著作権と行動基準の二本立てで開催いたします。
 美術館学芸員がもっともよく参照する法令は、文化財保護法とならんで著作権法ではないでしょうか。美術作家を含む著作者の権利を保護することから著作権法が整備され、つねに社会の変化に応じて改正が重ねられてきました。
 美術館員に役立つ指針として、全国美術館会議は2011年2月に『現場で使える美術著作権ガイド』を刊行し、幸い多くの関係者からご好評をいただきました。
 しかし、皆さまよくご承知のとおり、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)協議でも著作権を含む知的財産権が俎上となったように、私たちが日々関わっている美術著作権の世界もまた新たな段階に移りつつあります。今回の研修会では、法改正や著作権をめぐる環境の整備に携わっておられる文化庁著作権課の俵幸嗣氏、また上記ガイドブック執筆者である甲野正道氏にご登壇いただき、著作権をめぐる最新の状況をご紹介いただきます。
 第二部では、現在、美術館運営制度研究部会が取り組んでいる「美術館の原則と関係者の行動基準」をテーマにいたします。本部会では、2012年以来、美術館関係者がもつべき行動基準を明文化させるべきかどうか、さまざまに検討して皆さまにお諮りしてきました。議論の叩き台となる草案が現在、できあがりつつあります。今回の研修会ではその草案をお示しし、その存在意義や役割についていくつかの観点から皆さまと考えてみたいと思います。ICOMの倫理規程の改訂などを受けて2012年に「博物館の原則;博物館関係者の行動規範」を制定した日本博物館協会の実績を学び、内外の関係者と協働するために1988年に「倫理要綱」を制定した日本動物園水族館協会の先進性を見つめ、また2000年に全国美術館会議第49回総会で提案された「美術館基準(案)」を振り返ってみたいと思います。また併せて、現在草案段階の「行動基準」についてご報告し、今後、皆さまのご議論が活発になることを期したいと考えています。
 今回のテーマは美術館活動の根幹にかかわるものです。学芸員にとどまらず、管理職、管理・総務部門の皆さまにもひろくご参加いただきたくご案内申し上げます。

プログラム

9:30〜10:00 受付
10:00〜10:10 開会挨拶/馬渕明子(国立西洋美術館長)

[第1部:美術著作権の現在]
  10:10〜10:50 講演1「美術館・博物館等と著作権」
              俵幸嗣氏(文化庁著作権課著作物流通推進室長)
                ※都合により講師が変更する場合があります。
  11:50〜11:30 講演2「美術著作権に関する最近の制度改正について」
              甲野正道氏(日本学生支援機構理事、元文化庁著作権課長、
                    元国立西洋美術館副館長)
  11:30〜12:00 質疑応答/俵幸嗣氏、甲野正道氏
  12:00〜13:30 昼休み(及びカラヴァッジョ展見学)

[第2部:「美術館の原則と関係者の行動基準」について]
  13:30〜14:10 講演3「日本博物館協会版“博物館関係者の行動規範”をめぐって」
              佐々木秀彦氏(東京都歴史文化財団企画担当課長)
  14:10〜14:50 講演4「動物園・水族館の倫理と倫理規定」
              土居利光氏(恩賜上野動物園園長)
  14:50〜15:00 休憩
  15:00〜15:40 講演5「“美術館基準”の可能性」
              大嶋貴明(宮城県美術館研究員)
  15:40〜16:20 講演6「全国美術館会議版“行動基準”の現状と今後」
              山梨俊夫(国立国際美術館長、全国美術館会議副会長、
                   美術館運営制度研究部会長)
  16:20〜16:30 休憩
  16:30〜17:00 質疑応答、パネルディスカッション
           司会:山梨部会長/佐々木秀彦氏、土居利光氏、大嶋貴明氏                   
  17:00〜17:10 閉会挨拶/雪山行二(富山県立近代美術館長・企画委員会委員長)
  17:30〜19:30 情報交換会
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