教育普及研究部会

日時
2018年11月6日(火)
場所
東京都美術館 アートスタディルーム

第51回教育普及研究部会会合報告

 今年度1回目となる会合は、東京都美術館で開催した。
 前年度、当部会が企画を担当し実施した第32回学芸員研修会での気づきをもとに、改めて部会メンバーが各所属館で行っている取り組みから学び合うことをねらいとし、10分という短時間でのプレゼンテーションと、それに対して参加者が質問する時間を長めにとる新たな手法を試みた。今回は「各所属館における社会的包括の視点に立った取り組み」をテーマに、部会内からの立候補者2名を含む計5名が当日プレゼンテーションを行った。それぞれの取り組みと発表者は以下のとおり
である。
1. 美術館と特別支援学校との連携について:
  鈴村麻里子(三重県立美術館)
2. 発達障害のあるお子さんを対象にしたアー
  ティストワークショップについて:
  佐藤麻衣子(水戸芸術館現代美術センター)
3. 院内学級・訪問学級との連携について:
  郷 泰典(東京都現代美術館)
4. 感覚をひらく―新たな美術鑑賞プログラム創
  造推進事業について:
  松山沙樹(京都国立近代美術館)
5. 手話という異文化を鑑賞に活かす:
  八巻香澄(東京都現代美術館/元・東京都庭園
  美術館)
 多文化共生や社会的包括の考えに基づく事業展開はいずれの館でも喫緊の課題であるのか、予想を大きく上回る参加者が集まった。質疑応答も活発かつ具体的に行われ、その関心の高さがうかがえた。今回の多彩な事例や、担当者の抱える課題についての話は、参加者が各所属館の規模や立地、スタッフ数などに応じて取り組むべき活動を検討するにあたって、大いに参考になると思われる。
 会合の最後に、国立新美術館の吉澤菜摘研究員より海外視察報告として、アメリカ・サンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)のリニューアルの
特徴について情報提供があった。これまで展示室とは切り離されることの多かったカフェや休憩場所、資料コーナーなどを、展示室と展示室の合間などに自然な流れで配置する空間構成になっていたそうである。そのリニューアルの基盤となったと思われる「ミュージアムにおける学びの主体はどこにあるのか」という問いや、それに対する美術館の考え方の変化に関する話は、教育普及活動の根幹にも関わる、大変示唆に富むものであった。
(報告者:名古屋市美術館 清家三智)

出席者:64名

部会員42名
オブザーバー20名
事務局2名
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