情報・資料研究部会

日時
2018年6月13日(水)
14:00〜17:00
場所
石橋財団アートリサーチセンター
町田市

第50回情報・資料研究部会会合報告

内 容 

 今回は美術情報・資料分野における事例見学会を兼ねて、石橋財団アートリサーチセンター(町田市)にて開催された。
 はじめにブリヂストン美術館司書の黒澤美子より、ブリヂストン美術館の図書活動の歴史並びにアートリサーチセンターの施設や活動概要について、ライブラリー機能を中心に説明があった。
 石橋財団ブリヂストン美術館は1952年開館当初より所蔵品にかかわる図書資料の収集を続けており、現在約23,500冊の研究書や展覧会カタログを所蔵している。そして図書資料の増加を含め発展し多様化する美術館活動のニーズにあわせて開設されたのが、石橋財団アートリサーチセンターである。
 ライブラリー施設が備えられており、2015年の竣工後、それまで複数の場所で保管されていた蔵書が本施設に集約され、保管されている。2016年にはOPACを導入し、目録情報の公開を開始。2017年4月より研究者を対象とした事前予約制の専門図書室として、館外の研究者にも蔵書を公開している。
 説明の後、ライブラリーを中心に施設見学を実施した。ライブラリーは約4万冊まで収蔵可能な書庫と、4名着席可能な閲覧室から成る。書架サインは館内のクリエイエィブディレクターが施設全体のサイン計画とあわせて統括し、統一感を確保している。施設見学の後には、質疑応答の時間が設けられた。
 次に、情報・資料研究部会の部会合が行われた。協議事項は、以下のとおり。
1. 第67回全国美術館会議総会(5/17、18
 富山)参加報告(幹事)
  5月17日から18日にかけて富山にて開催された、第67回全国美術館会議総会にて、昨年度の
 活動報告並びに本年度の活動計画について発表したことを部会員に連絡した。今年度の活動計画
 として総会で説明した内容は下記のとおり。
 ・美術関係アーカイブズ資料所在調査(仮称)関連の事業
 ・日米文化教育交流会議(カルコン)美術対話委員会(CULCON-Arts Dialogue Committee)
  が進めているバイリンガル日本美術専門家ウェブサイト構築への協力
2. 「美術関係アーカイブズ資料所在調査
 (仮称)」について
  以前より本年度の課題として検討が続け
 られている「美術関係アーカイブズ資料所
 在調査(仮称)」の基本概要と進め方、ス
 ケジュールなどについて議論した。対象と
 なる資料の範囲、アンケート項目、学芸員
 研修会の機会を利用してトライアル版の公
 開を試みる件などについて、谷口英理氏が
 作成した原案をもとに話し合いが進められ
 た。特に対象となる資料の範囲については
 それぞれ異なる事情を抱える館がなるべく参加しやすく、また将来的に全国美術館会議会員館の
 枠を超えて発展させていける可能性をもたせるような原則でスタートしたいとの方向性を確認し
 た。次回部会合では部会員所属館のサンプル事例データをもちより、検討を進めることとした。
  今後のスケジュールは以下のとおり。
 【2018年度】
   公開データの記述項目の検討と確定/トライアル・データの作成と仮公開/アンケート項目
   案や依頼文案、情報公開範囲の検討/学芸員研修会(3月)の準備と実施。
 【2019年度】
   総会(2019年5月予定)でのアンケート実施告知、他部会への協力要請/第1弾アンケート
   送付実施と回収/回収結果から資料群の概要記述を作成/作成した概要記述の所蔵館確認。
 【2020年度】
   昨年のアンケート結果をふまえた調査結果の公開方法と公開範囲の再検討/概要記述を
   「美術関係アーカイブズ資料所在情報一覧(仮)」としてまとめる/左記の正式版を公開/
   アンケート第2弾・3弾を実施し、結果を踏まえて「美術関係アーカイブズ資料所在情報一
   覧(仮)」正式版を更新/外部機関との連携検討
3. 平成30年度学芸員研修会の企画担当について
  来年3月の研修会までに、7月、9月上旬、11〜12月、1月の4回程度部会を開催し準備にあた
 ることを確認した。
(報告者:石橋財団ブリヂストン美術館 黒澤美子)

参加者:13名

越智裕二郎(西宮市大谷記念美術館)部会長
鴨木年泰(東京富士美術館)幹事
川口雅子(国立西洋美術館)幹事
土生和彦(宮城県美術館)
八柳サエ(横浜美術館)
長名大地(東京国立近代美術館)
住広昭子(東京国立博物館)
谷口英理(国立新美術館)
青野和子(ハラミュージアムアーク)
黒澤美子(石橋財団ブリヂストン美術館)
田中正史(長野県信濃美術館 東山魁夷館)
松山ひとみ(大阪新美術館建設準備室)
小林豊子(全国美術館会議 事務局)
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