情報・資料研究部会

日時
2024年1月11日(木)
15:00~18:00
場所
国立アートリサーチセンター
会議室+ ウェブ会議システムZoom

第62回情報・資料研究部会会合報告

内 容 

 第62回情報・資料研究部会は、国立アートリサーチセンター(以下、NCAR)を会場に、研究部会とNCARとの合同会議を兼ねて行われた。対面とオンラインでのハイフレックス形式で開催された。
〈第1部 国立アートリサーチセンターとの合同会議〉
 第1部では、NCAR情報資源グループの職員と同グループのグループリーダーを務める川口雅子幹事より、事業についての発表が行われた。各発表者と表題は下記のとおりである。
・国立アートリサーチセンター情報資源グループ
 の事業紹介/川口雅子幹事
・リサーチ・ポータルとしてのアートプラットフ
 ォームジャパン/谷口英理
・全国美術館収蔵品サーチ「SHŪZŌ」/秋田奈美
・国立美術館サーチ(試験公開版)/石黒礼子
 
 川口幹事からはグループの活動についての概要、副グループリーダーを務める谷口氏からは、「日本アーティスト事典」を主軸にリサーチポータルサイトであるアートプラットフォームジャパンの紹介がされた。
 続いて、全国美術館収蔵品サーチ「SHŪZŌ」事業にて全国の各施設との連絡窓口を務める筆者より、同「SHŪZŌ」について紹介、最後に、「国立美術館サーチ(試験公開版)」を担当する石黒氏より、国立美術館の情報資源の公開も踏まえた事業の紹介が行われた。
 その後、川口幹事より、下記の表題で報告が行われた。
 改正博物館法と「デジタルアーカイブ」─博物館(再)登録の課題と対策について
 発表の内容は、2023年11月15日に行われた全国博物館フォーラム「改正博物館法を現場の運営に活かす」での、同氏の講演をベースにしたものとのことである。

第2部 第62回部会合
1. 参加メンバーの紹介
2. 『全国美術館会議会員館 アーカイブズ資料所在一覧2022』(全美アーカイブズ一覧2022)
 (1) 調査内容のアップデート
    現状、条件なしで公開可能な271件の所在情報を掲載している状態。全美参加館のみへの
   情報公開を希望する、またはその他の条件があるものを整理して、資料群の公開情報をアッ
   プデートすることが必要。前者においては、全美参加館だけへの公開が可能な資料群のリス
   トを作成し、全美の会員ページで公開するなどの方法が考えられる。
 (2) 第二次・第三次調査の実施について
   ・再調査は、以前の調査の回答館には追加更新の有無を尋ね、未回答の館には再度尋ねる方
    向で実施をする。
   ・前回の調査が全美の実績に基づく信頼に依拠して行ったものであることを踏まえつつ、事
    業の継続性や作業に係るマンパワーの問題から全美とNCARの協働事業の可能性について
    意見が出された。事業として行う場合は、数年がかりのものとする。調査・アンケートの
    実施と結果の公開、その他の付属的な成果物として各館の事例集の報告書を出すことを検
    討する。
 (3) 調査結果の公開・掲載方法について
   ・データベース形式での公開を望む気持ちもあるが、まずは前回と同様にExcelでの表作成
    などの形式での公開が検討された。
   ・NCARとの協働事業を探っていく場合、調査結果である成果物はNCARと全美で共有す
    ることについても検討された。例として、NCARが運営するデータベースへの情報の掲載
    などが考えられる。
   ・成果物の一つとして、美術関係アーカイブズ資料の取り扱いに関するガイドラインまたは
    事例集の作成などについても意見が出た。各館には、私立、市立、国立などの準拠する法
    律による状況の違いがある。また、作品ではない資料の受け入れ時の扱いが定まっておら
    ず、寄託資料や館蔵品としての判断が分かれる場合もある。そのような中で、包括的なガ
    イドラインを定めることは適当ではなく、多様な館が参照可能な事例集の刊行が好ましい
    とのではないかという意見が出た。これについて全国美術館会議の山梨俊夫事務局長から
    アーカイブズ資料に関しては、全国の美術館共通の課題であるとの認識が提示された。
   ・ジャパンサーチなどへの情報掲載についての意見も出た。ただし、まずは最初に、一定の
    リテラシーを持つ閲覧者が多いような、より専門的なポータルサイトでの公開を検討すべ
    きとの声も上がった。
3. 令和6年度の学芸員研修会の企画について
  現時点では、以下の3つのテーマが話題に上がった。具体的な企画内容については、改めて精
 査して検討することとなった。
  ・ジャパンサーチについて
  ・資料整理のDXについて
  ・アーカイブズの取り扱いについて
4. 次回の部会の開催について
  3月4日の週に、2時間ほどのオンライン開催を検討する。テーマは来年度の活動についての検
 討となった。 
(報告者:国立アートリサーチセンター 秋田奈美)

参加者:21名(会員名簿順)

山梨絵美子(千葉市美術館)部会長
鴨木年泰(東京富士美術館)幹事
土生和彦(宮城県美術館)
桑名真吾(SOMPO美術館)
中平洋子(ちひろ美術館・東京)
第1部発表者
川口雅子(国立西洋美術館/国立アートリサーチセンター)幹事
谷口英理(東京国立近代美術館/国立アートリサーチセンター)
石黒礼子(東京国立近代美術館/国立アートリサーチセンター)
秋田奈美(東京国立近代美術館/国立アートリサーチセンター)
オンライン出席
古本智恵(宇都宮美術館)
東海林 洋(ポーラ美術館)
金子 馨(出光美術館)
長名大地(東京国立近代美術館)
廣川晶子(国立工芸館)
矢口琴衣(長野県立美術館)
清原佐知子(大阪中之島美術館)
奥野雅子(大阪中之島美術館)
福田浩子(広島県立美術館)
朝倉芽生(高知県立美術館)
オブザーバー
山梨俊夫(全国美術館会議事務局)
生島達久(全国美術館会議事務局)
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