情報・資料研究部会

日時
2011年12月16日(金) ~2011年12月17日(土)
場所
奈良国立博物館 講堂

企画セミナーIII「美術情報・資料の活用 ― 展覧会カタログからWebまで」開催報告

名 称:全国美術館会議 情報・資料研究部会 企画セミナーIII
テーマ:美術情報・資料の活用 ― 展覧会カタログからWebまで
日 程:2011年12月16日(金)、17日(土)
会 場:奈良国立博物館 講堂
主 催:全国美術館会議 情報・資料研究部会 / 奈良国立博物館

プログラム

第1日(12月16日)
 総論「美術情報・資料の活用」/水谷長志(東京国立近代美術館)
 第Ⅰ講「展覧会カタログ」/住広昭子(東京国立博物館)
 第Ⅱ講「美術館の逐次刊行物」/中村節子(石橋財団ブリヂストン美術館)
 第Ⅲ講「今日の図書館から俯瞰する美術館の資料活動」/水谷長志
 招待講座「文化財アーカイブズの形成にむけて」
 宮崎幹子(奈良国立博物館 学芸部 資料室長)
 嘉数周子(奈良国立博物館 学芸部 資料室員)
第2日(12月17日)
 第Ⅳ講「電子的リソース(二次資料)」/水谷長志
 第Ⅴ講「電子的リソース(一次資料)」/川口雅子(国立西洋美術館)
 第Ⅵ講「作品情報の発信とアクセス」/室屋泰三(国立新美術館)
 施設見学「仏教美術資料研究センター」

開催報告

 情報・資料研究部会は、美術館における情報・資料の活用について、2009年度から毎年セミナーを開催してきました。2009年度の第1回は、2日間6講座によるセミナーを東京国立博物館・国立西洋美術館にて開催、2010年度の第2回セミナーは愛知芸術文化センターにて開催し、受講者より好評をいただくことができました。本年度は関東・中部と実施してきた会場を関西の地に移し、連続セミナー企画の掉尾を飾る第3回セミナーを2011年12月16日(金)―17日(土)奈良国立博物館 講堂にて開催しました。

 セミナーでは、展覧会カタログ、美術館の逐次刊行物から始めて、近年Web 上で構築・活用が進んでいる電子的リソースについても視野を広げ、書籍からデジタル情報までさまざまな美術情報・資料の効果的な整理・利用法を検討し、作品情報の発信とアクセスについても最近の動向を紹介しました。

 最終回となった今回は全国美術館会議会員館及びオープンでのオブザーバー参加を合わせ29名の方にご参加いただきました。第1回、第2回のセミナーに引き続いてご参加いただいた方、また館として継続受講されたケースも多く、この分野における情報交換の場の意義について改めて感じる開催ともなりました。また今回は大学や研究機関からの参加も目立ち、ライブラリーにおける美術情報の取り扱いに関し、その扱い方・活用の仕方について一定の関心があることがうかがえました。

 会場となった奈良国立博物館 仏教美術資料研究センターは2011年8月にリニューアルオープンしたばかりで、その施設見学は受講者にとりタイムリーで貴重な機会となったことと思います。セミナーは例年の6講座に加え、招待講座として共催の奈良国立博物館から宮崎幹子(奈良国立博物館 学芸部 資料室長)、嘉数周子(奈良国立博物館 学芸部 資料室員)の2氏による同館の文化財アーカイブズ形成の先端事例報告をいただきました。

 当初計画をした3回の連続セミナーも一区切りを迎えました。今回の取り組みを通じ、この分野での情報共有のネットワークを広げていくことと、個々の課題を掘り下げていくことの横軸と縦軸それぞれに追求すべき課題と目標があることが改めて浮き彫りになったように思います。情報・資料研究部会はこれからもニーズに応えられる成果を得ることを目指して真摯に活動に取り組んで参りたいと思います。
情報・資料研究部会 幹事 鴨木年泰(東京富士美術館)


企画セミナー レジュメ(PDF:3.8MB
Copyright © 2011 The Japanese Council of Art Museums All Rights Reserved.