美術館運営制度研究部会

日時
2020年12月2日(水)
14:00~17:30
場所
国立西洋美術館 第一会議室

第32回美術館運営制度研究部会会合報告

内 容

議題:1 表現の自由とインターネット時代の「圧力」について
            〜あいちトリエンナーレ問題を契機に
   2 第35回(2020年度)学芸員研修会の企画について
   3 公立美術館の運営指定管理者制度の現状について
   4 その他、報告事項など 

 2019年の美術界の大きな話題の一つとして「あいちトリエンナーレ2019問題」があり、全国美術館会議としても「『あいちトリエンナーレ2019』への補助金不交付の撤回を求める要望書」を文化庁に提出している。当部会では、山梨部会長があいちトリエンナーレ検証委員会の座長をつとめたこともあり、この問題について部会長から報告とコメントを聞くこととした。
 検証委員会の報告自体はこの部会の後に公表されたので詳しく触れないが、美術館の人間として特に気がかりなのは、中止を決めざるを得なくなった直接的な背景として、電話やEメールによる膨大な「攻撃」が事務局を疲弊させたことであろう。特に「あいちトリエンナーレ2019問題」は、インターネット時代ならではの広範囲な報道・拡散があったため、これが今後の美術館活動に及ぼす影響も危惧される。
 一方、美術館の展示において表現の
自由がおびやかされた事例は、決してあいちトリエンナーレが初めてではない。それらは事後に分析・報告がされたものもあれば、関係者以外からは忘れ去られているものもある。したがって、あいちトリエンナーレにとどまらず、過去の事例も含めて、社会的問題を引き起こす、もしくはその可能性を持つ作品と美術館がどう向き合うかについて(いたずらに自粛や自制に向かうのではなく)考えていく必要があるだろう、ということになった。
 たまたま当部会は2020年度学芸員研修会の企画を担当する順番にあたっている。そこで、学芸員研修会のテーマとすることを前提に、引き続き美術館の公共性と表現の自由について調べて討議していくことになった。
 今回の部会は、このように表現の(不)自由問題が中心になったが、前回まで行ってきた公立美術館の運営指定管理者制度の現状についても、新たなヒアリングも含めて引き続き調査検討していくことにしている。
(文責:安田 篤生)

出席者:12名

山梨俊夫(部会長:国立国際美術館)
安田篤生(幹事:奈良県立美術館)
杉本 藍(たましん歴史・美術館)
村上博哉(国立西洋美術館)
雪山行二(富山県美術館)
山田 諭(京都市美術館)
青木加苗(和歌山県立近代美術館)
篠 雅廣(大阪市立美術館)
柳澤宏美(高知県立美術館)
山本 成子(高岡市立博物館)
オブザーバー
大越久子(事務局)
小林豊子(事務局)  
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