保存研究部会過去の活動

日時
2011年2月25日(金) ~2011年2月26日(土)
場所
青森県立美術館
青森市安田字近野185

第39回保存研究部会会合報告

[1日目] 2011年2月25日(金)



14:00 集合

14:00~16:50 青森県立美術館展示室・バックヤード等の見学
◆青森県立美術館は保存研究部会にとって初の会合場所となりました。集合早々鷹山館長より丁寧なご挨拶をいただいた後、菅野学芸員の解説により館内見学をおこないました。広大な展示室から見学がはじまり、搬出入口、空調機械室、収蔵庫へと見応えたっぷりに続き、気がつけば予定よりも1時間以上超過しておりました。建築家の理想と、施設を実際に使用していく館職員の希望とのせめぎ合いが随所に感じられ、大変興味深く拝見しました。収蔵庫はとても整理が行き届いてきれいで地震対策も徹底されていました。また、いたるところに毛髪式温湿度自記記録計と虫害モニタのためのトラップが設置されていました。

16:50~17:30 予算執行状況
◆外部講師招聘費や紫外線強度計購入等にあてた予算執行状況は承認されました。残額は保存研究部会の活動に必要な参考図書を購入します。 次年度の活動、幹事について
◆来年度の事務幹事は神奈川県立近代美術館の伊藤専門研究員、高知県立美術館の影山学芸員が受けてくださいました。企画幹事は栃木県立美術館の木村学芸員にご快諾いただき、秋頃栃木で開催することになりました。もう一会場は現在調整中です。

18:20頃~ 情報交換会
◆榎本部会長に挨拶いただきました。

[2日目] 2011年2月26日(土)

9:30~11:00 コンディション・レポート作成について
◆これまでの経緯を説明後、エクセル版コンディション・レポート案の具体的な修正作業を出席者全員で行いました。エキシビション・コンサバターの点検後のサイン欄については、ほとんどの展覧会についてはエキシビション・コンサバターがつかないので、基本バージョンからは除外。別途海外展用バージョンを作成し、そこにはサイン欄等を設けることになりました。
◆工芸品については桐箱内の「まくら」の有無など、附属品の管理が重要であり、用語等も特殊であるので、岐阜県現代陶芸美術館で案を作成していただくことになりました。
◆このコンディション・レポートを公開するにあたっては、記入にあたっての解説、手引書だけでなく、作品にまつわる事故やトラブルを少しでも軽減することを目的としていることなど、その役割についても詳述する必要があるとの認識で一致しました。

11:00~12:30 学芸員研修会について
◆事務局より、来年3月の開催について可能かどうかの問い合わせがありましたが、当部会としましては開催担当するのであればコンディション・レポートがよりかたちあるものとなってから、その説明・宣伝の機会としたいことから、来年度の担当実施を見送ることにしました。
大災害時における対策等に関する要綱」等改訂案の検討について
◆1998年の総会で承認された「大災害時における対策等に関する要綱」「大災害時における連絡網実施要領」「大災害時における援助活動実施要領」は、運用が始まってから12年以上が経過しました。承認直後の数年は機能していましたが、現在はブロック本部館がどこなのかもわからない状態であることと、当時とは連絡ツールが変化しており、メールなどが一般的となったことからも、改訂案を当研究部会で作成し、理事会や総会に諮ってはどうかとの提案が出されました。それに対しての意見としましては、急いで改訂案を提出するのではなく、
・メールによる情報伝達訓練などが具体的におこなえるマニュアルも作成する。
・大災害が起きた際に、美術館学芸員等がボランティアで災害現場に赴く際の交通費や保険料などを日頃から準備金 として予算に積んでもらう必要がある。
・他の研究部会との調整も必要である。
・他救援団体の動向についてもできる範囲で把握する。
などの準備を考えて、先ずは予算根拠等を算出するための調査費を来年度に要求することにしました。十分な時間を使って議論し、機会あるごとに理事会や総会で要綱要領を話題にすることが必要だとの意見でも一致しました。作業が増えますが、コンディション・レポートとあわせて来年度からよろしくお願いします。

12:30 現地解散

出席者

12名
Copyright © 2011 The Japanese Council of Art Museums All Rights Reserved.