保存研究部会過去の活動

日時
2013年2月15日(金) ~2013年2月16日(土)
場所
岩手県立美術館

第43回保存研究部会会合報告

レクチャー

講師:陸前高田市立博物館・本多文人館長
 「陸前高田市における文化財のレスキューの現状・陸前高田市における美術界の歩みについて」 
 2つのテーマについて、パワーポイントを使ってお話をいただく。
「陸前高田市における文化財のレスキューの現状」では、陸前高田市の文化施設(陸前高田立図書館、陸前高田市海と貝のミュージアム、陸前高田市立博物館、埋蔵文化財整理室)全体の所蔵資料概要とレスキュー経緯についてご説明いただいた。現時点では独立した市立博物館の再建計画はなく、図書館・公民館等との複合施設になる可能性が高いとのこと。「陸前高田市における美術界の歩みについて」では、陸前高田市で活躍した作家や団体に触れながら、美術品収集の経緯を解説いただいた。

全体討議

1. 部会費について
  事務幹事から、これまでは部会費は部会合開催関連費用(講師謝金、旅費等)や機材、図書購
 入等に充ててきたが、ある程度の必要品は揃ったので、今後は部会費が残った場合は事務局にい
 ったん戻してその分を積立て、より有効な部会費運用の体制を整えたいとの提案があった。榎本
 会長了承済み。部会として了承。現在、榎本会長が全美事務局に、本件について確認中。
2. 事務幹事の交代について
  2013年度は伊藤、影山に代わり、兵庫県立美術館の相澤さん、岩手県立美術館の根本さんが
 事務幹事を担当する。
3. 写真関連の研究チームについて
  影山さんから(欠席のため伊藤が代弁)、高知県立美術館では最近、大量の写真資料を収蔵し
 また近年写真作品を収集する館が増加している状況をふまえ、写真、映像資料等の保存に関する
 研究チームを部会内に作れないかとの提案があった。
  意見交換の結果、必要性について参加者全員の同意を得、具体的な活動内容や研究テーマ、活
 動目標等、研究チームの骨格作りが必要との結論になった。まずは提案者の影山さんが中心とな
 って写真に関心のあるチームメンバー希望者を募集し、チームの概要を検討いただくこととし
 た。
4. 来年度の活動について
  総合調査分科会幹事の田中さんから、来年度の部会は、少なくとも1回は分科会の調査か編集
 作業と合体させてほしいとの要望があった(全美事務局からも、同分科会は保存研究部会を中心
 に活動してほしいと言われており、阪神淡路大震災後も通常の部会は中断し、全て調査に充てら
 れたとのこと)。
  来年度の中心活動を、現在進行中のテーマであるコンディションチックシート作成の代わりに
 総合調査関連の作業に関わるということにすればよいだろうという提案があり了承された。その
 他のテーマは再来年度以降に持ち越すことで了承。
5. 次回会合について
  6月中旬頃の総合調査実施(福島県立美術館)または11月上旬頃の報告書編集作業(栃木県立
 美術館または茨城県近代美術館)にあわせて開催を検討する。
6. 部会購入の図書、機材について
  図書とビデオ機材は岩手県美で預かり、図書は今後エクセルデータで貸出履歴を作って管理す
 る。ビデオは総合調査でも使用する。UVメーターは栃木県美にしばらく貸出。

情報交換会

18:30から「ゆ家 菜園本舗」にて開催。本多氏と岩手県立美術館長原田氏にも参加いただいた。 

岩手県立美術館バックヤードツアー

(岩手県立美術館根本さん・盛本さんが案内)
 荷降室、機械室、自家発電室、電気室、ボンベ室(イマージェンガス)、一時保管庫、収蔵庫、
屋上等を見学。
 機械設備関連の説明を設備員の方から説明を受け、また、寄託保管中の陸前高田市立博物館の被
災作品の、収蔵庫内での保管状況も見せていただいた。
 このツアーは総合調査の予備調査を兼ねていたため、会議室でパワーポイントを使用し画像を見
ながら、岩手県美の被災状況の説明を受け、被災状況に関する質疑応答を行った。 
 

出席者

出席者17名、オブザーバー3名、事務局1名
 
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