保存研究部会過去の活動

日時
2018年2月9日(金) ~2018年2月10日(土)
場所
長崎県美術館

第50回保存研究部会会合報告

内 容

2月9日(金)
14:00 米田耕司長崎県美術館館長による挨拶
14:10~18:00 講演及び質疑応答・意見交換
         「美術館、博物館における虫菌害対策 IPMや燻蒸等の具体例」
               (木川りか氏/九州国立博物館博物館科学課課長)
   文化財の生物劣化対策をご
  専門とされる木川りかさんか
  ら、九州国立博物館における
  IPMの実践例をご紹介いただ
  きました。IPMの実践には館
  全体の理解と協力が不可欠で
  あるというお話と、その一例
  として挙げられた九博の環境
  ボランティアチームの活動は
  特に興味深くお聞きしまし
  た。燻蒸に関しては、近年の
  市場縮小が業者や開発費の減少を招き、使える薬剤が減っているとの懸念すべき現状報告があ
  りました。また防殺虫に使用する薬剤について、近年の法改正により、防虫剤として利用され
  てきたナフタレンが特定化学物質第2類に指定
  されたという重要な情報もご提供いただきま
  した。
   講演後の質疑応答と意見交換では、さまざ
  まなカビ対策、調湿剤の使用期限、結露対策
  生花持ち込みへの対応、収蔵庫清掃の頻度、
  土や植物を使う現代アートへの対応等々話題
  が尽きず、時間切れで終了となりました。

19:00~ 「安楽子」にて情報交換会。
2月10日(土)
9:30~10:40 バックヤードツアー 
   森園さんのご案内により、各展示室、搬入
  口、修復室、各収蔵庫の順に見学しました。
   修復室では、以前の会合で見学したものを
  ヒントに作成したという移動式ラックをご紹
  介いただき、バックヤードツアーの有効な活
  用例として嬉しく拝見しました。
    
10:45~12:30 保存修復におけるLED照明の
  理解と実践(プレゼン及びデモ)
   ライトアンドリヒト(全美賛助会員)の増
  澤大助氏と山川久氏から、LED照明の開発経緯や特徴について講義を受け、同社のLEDスポッ
  トライトを用いたデモを行っていただきました。

12:30~12:50 連絡事項等(事務幹事より)
  ・学芸員研修会報告書は年度末までに発行の予定です。※3月31日に無事発行され、4月に各
   会員館と部会員にお届けしました。
  ・来年度会合の会場は現在調整中です。決まり次第、予算計画とともにML上にてお知らせし
   ます。
(報告者:岩手県立美術館 根本亮子)

出席者

9日:13名、オブザーバー10名、事務局1名
10日:13名、オブザーバー7名、賛助会員2名、事務局1名

 
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