教育普及研究部会過去の活動

日時
2015年9月14日(月) ~2015年9月15日(火)
場所
アーツ前橋、ハラ ミュージアム アーク
[14日]アーツ前橋 スタジオ
[15日]ハラ ミュージアム アーク 回廊及び館内展示室、開架式収蔵庫

第46回教育普及研究部会会合報告

 今年度1回目の会合は群馬県内で開催した。
1日目は2013年秋に開館し、全美に加盟して間もないアーツ前橋にて、3つの活動コンセプト「創造的であること/みんなで共有すること/対話的であること」の成立過程とその理念について、またそれに基づいて展開されている教育普及活動の現状について、辻瑞生、小田久美子両学芸員から発表をお願いした。
 教育普及の分野において“対話”と聞くと、対話による作品鑑賞の活動に考えが直結してしまいがちだが、私たちの日常生活のさまざまな場面で対話は常に起こっている。ひと口に対話といっても濃淡もあり時間がかかる点は否めないが、互いの考えやものの見方を出し合い、共有し、理解しながら信頼関係を構築して物事に取り組んでいける良さは他に代えがたい。美術館のあり方を市長や地域住民と話し合うとき、アーティストや地域住民とプロジェクトを進めていくときの手法として意識的に活用しているとの話に、その徹底ぶりに対する多少の驚きはあったものの、対話による作品鑑賞後の参加者の興味の深まりや視野の広がりを実感している教育普及担当者には、その意義を容易に理解できたと思う。 
 2日目はマイクロバスを借り、渋川市にあるハラ ミュージアム アークを訪問した。
 1979年から現代美術を専門に紹介してきた東京・品川の原美術館とは兄弟館にあたるが、2館でどのように差別化を図り活動を展開してきたのか、教育普及ワーキンググループ時代からのメンバーでもある青野和子副館長兼主任学芸員に話を伺った。会場となった美術館の回廊(半屋外)には高原の心地よい風が吹き、遠くに牧場の羊の鳴き声を聞きながらのレクチャーとなった。
 最も強く感じたのは、展覧会の準備や現代作家とのコミッションワーク、海外との絶え間ないやりとりなど膨大な仕事をこなしながら「次はこういうことがしたい」「この作家とであればこんなワークショップが出来るのでは」と常にアイデアを蓄積していく貪欲さと、温めていた企画を提案する時機を見極め、逃さず実行に移すバイタリティーである。「現代美術を楽しめる美術館であること」という館のミッションに従うと同時に、学芸員自身が現代美術の作品や作家との出会いを心から楽しみ、それを来館者と共有したいという気持ちを行動に直結させて、現実的な問題を1つずつクリアしているように感じた。今回の会合でも若い世代の学芸員の参加が目立ったが、学芸員としてどう仕事をしていきたいか、館のミッションと個人的な関心をどう繋ぎ合わせていくか、各自が初心に帰って考える良い機会になったと思う。
(報告者:名古屋市美術館 清家三智)

出席者

会員22名
オブザーバー9名
事務局1名
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