美術館運営研究部会過去の活動

日時
2018年12月13日(木)
14:00~17:30
場所
国立西洋美術館 第一会議室

第30回美術館運営制度研究部会会合報告

内 容

議題:1 『現場で使える美術著作権ガイド』改訂版の編集について
   2 指定管理者制度の実態調査について
   3 その他 
 今年度末(2019年3月末)の刊行を目指している美術著作権ガイドについて、現況を共有し、部会内の作業分担を新たに取り決めた。9月に出版元を株式会社美術出版社(賛助会員)が引き受けてくれることとなり、11月から編集打合せが始まっている。甲野正道氏(元国立西洋美術館副館長、元文化庁著作権課長)による原稿は12月10日にできあがり、現在編集作業チームで読み合わせが進められているが、新たに部会員3名がこの読み合わせに加わることになり、計6名で原稿に眼を通す。12月中に部会内での加除訂正・修正意見・疑問点をとりまとめて甲野氏へお返しし、甲野氏はそれらを踏まえた最終稿を1月10日に美術出版社へ入稿する工程となっている。 
 また、書名を『改訂新版 現場で使える美術著作権ガイド 2019』とすることが決まった。来たるべきその次の改訂を視野に入れ、分かりやすく背表紙にも年号を入れておこうというアイデアである。
 指定管理者制度について前回会合(8月10日)では、部会員所属館の中から横浜美術館について事例研究を行った。大都市の自治体が設置した大型公益財団法人が指定管理を受けている実態は、さまざまな点で横浜ならではの特性あるものだということを確認している。そこで今回は、横浜よりも人口の小さな都市の事例を知ろうという提議から、八王子市夢美術館、茅野市美術館の状況を発表・報告してもらい討論を行った。部会員のみによるクローズドの会合だからこその、踏み込んだ情報提供と議論が行われた。導入の実態、予算規模、市民との連携などの実情からは、地方都市の公設美術館の在り方に多くの方向性、選択肢が
あることを改めて実感することができた。それらをきっかけに議論は多岐にわたったが、美術館のそもそもの意義に立ち帰ることが肝要であるという指摘もあり、同時に我々の部会ができること、するべきことの認識の統一を図るべきだという提案もあった。しかし、この指定管理者制度には多くの検討すべき側面がまだまだ存在するということは一致し、次回には、部会員所属館以外で注目すべき、評価すべき運営を示している館の実態を学ぶこととなった。具体的な候補もあがっている。
 また本部会の活動とは離れるが、全国美術館会議の社団法人化の進捗についても部会として強い関心があり、事務局から現況をうかがうことができたのは収穫である。
(文責:貝塚 健)

出席者:14名

山梨俊夫(部会長:国立国際美術館)
貝塚 健(幹事:ブリヂストン美術館)
逢坂恵理子(横浜美術館)
村上博哉(国立西洋美術館)
神代 浩(東京国立近代美術館)
浅沼 塁(八王子市夢美術館)
安田篤生(原美術館)
雪山行二(富山県美術館)
前田忠史(茅野市美術館)
浅野秀剛(大和文華館)
青木加苗(和歌山県立近代美術館)
越智裕二郎(西宮市大谷記念美術館)
柳澤宏美(高知県立美術館)
オブザーバー
小林豊子(事務局)  
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