学芸員研修会報告書

日時
2021年3月5日 - 2021年3月5日
場所
国立新美術館(オンライン開催)
主催
全国美術館会議(担当:美術館運営制度研究部会)、国立新美術館

第35回学芸員研修会

テーマ:「アフターコロナに向けて~美術館運営支援を考える」
日 時:令和3年3月5日(金)13:00~17:30
会 場:国立新美術館(オンライン開催)
主 催:一般社団法人全国美術館会議、国立新美術館
    (企画担当:美術館運営制度研究部会)  
  

開催趣旨

 2020年は世界が新型コロナウイルス感染症のパンデミックに呑み込まれた未曽有の年になりました。これが美術の世界にも深刻な影響をおよぼしたことは、会員の皆様が実感されていることでしょう。日本では緊急事態宣言後にやや状況が持ち直したこともあり、一時はほぼ全国的に臨時休館に踏み切った美術館もおおむね活動を再開いたしました。しかし、秋冬になってまたもや感染は拡大傾向となり、先日、全国規模ではないまでも再び緊急事態宣言が発出されました。一方でワクチンの開発と接種に光明も見えてきましたが、予断を許さぬ緊迫した状態がこれからどのように推移するかは予測しがたいものがあり、美術館活動の今後にも暗雲が漂っていると言わざるをえません。
 一般社団法人全国美術館会議では2020年9月〜10月に、会員館に対してコロナ禍対応に関するアンケートを実施し、会員の約6割にあたる約250館から回答をいただきました。このアンケートは美術館運営制度研究部会が企画立案から集計まで担ったものですが、回答の中には館の設置主体を問わず入館者数及び収入の減少を憂い、今後の財政への不安を吐露する声が数多く見られました。また、いくつかの美術館においては、経営危機への対処としてクラウドファンディングに踏み切った事例もあります。
 アンケートの送付文には「来年3月開催を目途に美術館運営制度研究部会が準備中の学芸員研修会におきましても「コロナウイルス禍を中心にした美術館の危機管理」をテーマにする予定です」と書きましたが、こうした回答の内容や現在の社会状況を踏まえ、このたびの第35回学芸員研修会は「アフターコロナに向けて~美術館運営支援を考える」をテーマに、既に取り組まれている様々な美術館運営支援の事例紹介をもとに、今後のミュージアムマネジメントの道筋を探りたいと思います。
 21世紀になって美術館の運営形態も、独立行政法人化や指定管理者制度の導入、公益法人改革等、変化並びに多様化すると同時に、国公立といえども自主財源だけでは美術館運営が困難な時代になってきました。直接的(経済的)だけでなく間接的な支援も含めて、美術館が外部からの支援を得るとともに地域との関係を築く可能性を考える場となれば幸いです。
 本研修会への皆様のご参加をお待ちしております。

プログラム

 12:30 受付(Zoomミーティングルーム入室・通信状況確認)
 13:00 開会挨拶 
     ・逢坂恵理子(国立新美術館館長)
 13:10 イントロダクション:本日の研修会について 
     ・山梨俊夫(全国美術館会議副会長、国立国際美術館館長)
 13:20 《第1部》外部と連動する美術館支援の可能性~小規模館の取り組み
     ・岡村幸宣(原爆の図丸木美術館 学芸員・専務理事)
 14:00 《第2部》美術館と支援者をつなぐ取り組み~ファンドレイジングなど
     ・滝本昌子(東京国立近代美術館広報・渉外課長)
     ・襟川文恵(横浜美術館渉外担当リーダー)
     ・安田篤生(奈良県立美術館学芸課長、前・原美術館副館長)
15:00~15:15 休憩
15:15~17:00 パネルディスカッション
     ・岡村幸宣、滝本昌子、襟川文恵、山梨俊夫、逢坂恵理子
     ・進行:安田篤生
17:00 まとめ 
     ・山梨俊夫
17:30 終了
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