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『改訂新版 現場で使える美術著作権ガイド 2019』
著: 甲野正道
編: 全国美術館会議
発売:株式会社美術出版社
発行:2019年4月1日
定価:本体2,000円+税

『改訂新版 現場で使える美術著作権ガイド 2019』

 全国美術館会議は、2011(平成23)年2月に『現場で使える美術著作権ガイド』) を刊行しました。同書は、美術著作権をどう考えればいいのか、現場で様々に生起する著作権関連の問題にどう対処すればいいのかを、実際的な事項に沿って解説し、疑問に答えて、美術館活動に役立てようとしたものです。幸いに好評を得て、増刷となりましたが、その在庫も消化されました。
 以来8年が経過して、著作権法は3度の改正がなされ、本年初めから施行された最新の改正では、情報のデジタル化・ネットワーク化の進展に関連して、コンピュータ上でサムネイル画像を原則著作権者の許諾なしに使用できるようになったことなど、美術館活動に直接関わる諸点が特記されます。また、昨年12月30日からは、若干の経緯を経て、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が発効し、著作権の有効期限が著作者の死後70年まで延長されたことをはじめとする重要な変更点があります。
 全国美術館会議としましては、こうしたいくつもの改正、変更が行われた著作権法の状況に応じ、社会の変化や美術自体の変質に対応する著作権の対処を、改めて検討する必要を痛感し、旧版に大きく手を加え、より使いやすくすることを心がけながら、改訂新版を刊行することにしました。
 現状に即した本書の記述は、学芸、事務など職務内容の差を問わず、美術館で働く様々な職種の人々が著作権問題に対処するとき、また、美術館と関連しながら美術館活動にともに携わっている新聞社事業部員、図録制作会社等、多くの人々にとっても、実際の場面で即座に役立つものになっていると自負を籠めて考えております。さらには、直接美術館とはかかわりない仕事に従事する人々、たとえば美術書の編集者、大学で博物館学等を講じる先生及び学生、美術作品を扱う画商、そして著作権者である作家やその家族といった広範囲の美術関係者に対しても、本書は大いに有益であると思います。ぜひとも多くの方々の手元で活用されていかれるように願っております。
 旧版では第2部として「作品寄贈の対処」を設けていましたが、本書ではこの部分を割愛し、全編を著作権に関する記述に充てました。そして原稿作成に当たっては、旧版で著作権部分を担当してくださった甲野正道氏に再びお願いしました。旧版執筆当時、甲野氏は国立西洋美術館副館長として、全国美術館会議事務局長を務めておられましたが、現在は美術館の世界を離れられ、大学で教鞭を執られています。文化庁著作権課長の経験に立たれ、また現職を通じて、著作権の諸問題に精通しておられます。旧版を執筆いただいた当時から法改正があれば合わせて改訂しなければとおっしゃっておられたことを思い合わせ、そのうえ美術館活動もよく理解されている甲野氏を措いて、適任の人物は存在しないと衆知は一致し、ご多忙を顧みず改訂原稿の執筆を枉まげてお願いしたところ、快く引き受けてくださいました。ひとえに甲野氏のご尽力に深く謝意を表します。
 なお、全体の校正と編集については、旧版と同じく、全国美術館会議美術館運営制度研究部会が担当し、コラム原稿のうちいくつかは部会員が分担しました。また、本書の編集・出版は、全国美術館会議賛助会員である美術出版社に引き受けていただき、担当された同社の住谷美都子氏にもあらためて謝意を表します。
  
  2019年4月
山梨俊夫
全国美術館会議 美術館運営制度研究部会部会長
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