第40回美術館運営研究部会会合報告
内 容
美術館運営研究部会では、来年度の学芸員研修会に向けて、ワーキンググループを中心に議題の検討を行ってきた。その一環で、アーツカウンシル東京の佐々木秀彦氏に講師を依頼し、公開オンライン勉強会を開催した。
この勉強会では「学芸員の雇用問題」について、改正博物館法の内容を踏まえ、今後どのようなあり方が望ましいのかを考えるために、佐々木氏に「文化的コモンズの形成」をテーマにお話しいただいた。佐々木氏によると、ミュージアムにコモンズ論を適応させると、コモンズを成り立たせるためには、職業的専門家、つまり専門家(学芸員)、設置者、利用者のバランスを取って運営されるべきである。ミュージアムの役割等のリテラシーを専門家だけが守るのではなく、設置者、利用者も理解しなければならないということを説明いただいた。
その中で、学芸員という職業は、専門家として正統性があることを証明するために、資格や学位、職業における倫理観や行動規範が必要とされるものである。ただ、現行の学芸員養成制度においては、大学学部の単位取得のみで取得でき、毎年一万人前後が資格を得ているが、実際に資格を使い、働いている人は少ない。学芸員資格を現実的に有効なものとするためには大学院の専門職修士課程でより実践性を学んで取得するものとし、学部では新たに「博物館士」という称号を付与する課程を作ることを佐々木氏は提案した。「博物館士」という資格をミュージアムで働く学芸員以外の仕事やミュージアムと一緒に仕事する外部の組織などで働く人が取得するような基礎的リテラシーを習得する簡易な課程とする制度の変更も視野に入れて検討なされるべきである、としている。
最後に、人口減の時代のミュージアムの経営には、行政や地域にその活動の成果の説明をしなければいけない。ミュージアムは持続可能な世の中をつくり、ウェルビーングになるための投資になることを訴える必要がある。ただ、実際には、ミュージアムに求められる機能が多様化し、専門も多様化する中で、一つのミュージアムがすべてを行うのは難しい。そのために、ミュージアムの連携プラットフォームをつくり、そこでコーディネーターの育成を行い、各館に派遣していく。このようにすれば、各館での養成が難しい専門家を育てることも可能になるのではないか、と佐々木氏は提起した。
この勉強会では「学芸員の雇用問題」について、改正博物館法の内容を踏まえ、今後どのようなあり方が望ましいのかを考えるために、佐々木氏に「文化的コモンズの形成」をテーマにお話しいただいた。佐々木氏によると、ミュージアムにコモンズ論を適応させると、コモンズを成り立たせるためには、職業的専門家、つまり専門家(学芸員)、設置者、利用者のバランスを取って運営されるべきである。ミュージアムの役割等のリテラシーを専門家だけが守るのではなく、設置者、利用者も理解しなければならないということを説明いただいた。
その中で、学芸員という職業は、専門家として正統性があることを証明するために、資格や学位、職業における倫理観や行動規範が必要とされるものである。ただ、現行の学芸員養成制度においては、大学学部の単位取得のみで取得でき、毎年一万人前後が資格を得ているが、実際に資格を使い、働いている人は少ない。学芸員資格を現実的に有効なものとするためには大学院の専門職修士課程でより実践性を学んで取得するものとし、学部では新たに「博物館士」という称号を付与する課程を作ることを佐々木氏は提案した。「博物館士」という資格をミュージアムで働く学芸員以外の仕事やミュージアムと一緒に仕事する外部の組織などで働く人が取得するような基礎的リテラシーを習得する簡易な課程とする制度の変更も視野に入れて検討なされるべきである、としている。
最後に、人口減の時代のミュージアムの経営には、行政や地域にその活動の成果の説明をしなければいけない。ミュージアムは持続可能な世の中をつくり、ウェルビーングになるための投資になることを訴える必要がある。ただ、実際には、ミュージアムに求められる機能が多様化し、専門も多様化する中で、一つのミュージアムがすべてを行うのは難しい。そのために、ミュージアムの連携プラットフォームをつくり、そこでコーディネーターの育成を行い、各館に派遣していく。このようにすれば、各館での養成が難しい専門家を育てることも可能になるのではないか、と佐々木氏は提起した。
(文責:山本雅美/奈良県立美術館)