第53回保存研究部会会合報告
内 容
10月18日(金)
14:00 村田眞宏部会長(豊田市美術館)による挨拶
14:10~15:30 講演及び質疑応答・意見交換
「美術品に用いられる様々な材料について」
(塚田全彦氏/東京藝術大学准教授)
保存科学がご専門の塚田全彦さんから、講演前半は材料の組成や性質に関する基礎事項、
後半は材料面から見た近現代美術作品の特徴についてご講演いただきました。
後半のテーマでは、合成樹
脂、固まらない油絵具、動物
の遺体(剥製)が用いられた
作品を例に、各材料の劣化事
例や問題点の解説があり、処
置方法が未確立の材料では組
成の分析や同定が必ずしも処
置に結び付かないこと、作家
本人から得た情報と分析結果
が一致しない場合があるこ
と、様々な条件下での状態観
察が重要であることなど、現場で留意すべきお話もお聞きできました。
講演後の質疑応答・意見交換では、各館で懸念されている事例が紹介され、なかでも「固ま
らない油絵具」の話題には、関心を持つ部会員が多かったようです。
15:55~16:20 川崎市市民ミュージアムの被災状況について(緊急報告)
先の台風19号で被災した川崎市市民ミュージアムを視察された岡田健氏(文化財防災ネッ
トワーク推進室長)から、被災経過と現状に関する緊急報告がありました。
18:30~ 「富水」にて情報交換会。
14:00 村田眞宏部会長(豊田市美術館)による挨拶
14:10~15:30 講演及び質疑応答・意見交換
「美術品に用いられる様々な材料について」
(塚田全彦氏/東京藝術大学准教授)
保存科学がご専門の塚田全彦さんから、講演前半は材料の組成や性質に関する基礎事項、
後半は材料面から見た近現代美術作品の特徴についてご講演いただきました。
後半のテーマでは、合成樹

脂、固まらない油絵具、動物
の遺体(剥製)が用いられた
作品を例に、各材料の劣化事
例や問題点の解説があり、処
置方法が未確立の材料では組
成の分析や同定が必ずしも処
置に結び付かないこと、作家
本人から得た情報と分析結果
が一致しない場合があるこ
と、様々な条件下での状態観
察が重要であることなど、現場で留意すべきお話もお聞きできました。
講演後の質疑応答・意見交換では、各館で懸念されている事例が紹介され、なかでも「固ま
らない油絵具」の話題には、関心を持つ部会員が多かったようです。
15:55~16:20 川崎市市民ミュージアムの被災状況について(緊急報告)
先の台風19号で被災した川崎市市民ミュージアムを視察された岡田健氏(文化財防災ネッ
トワーク推進室長)から、被災経過と現状に関する緊急報告がありました。
18:30~ 「富水」にて情報交換会。
10月19日(土)
9:30~11:00 バックヤードツアー
企画幹事・鎮西さんのご案内により、展示
室(コレクション展)、収蔵庫(油彩/
紙)、トラックヤード、物品庫などを見学し
ました。
物品庫では、新たに導入されたLEDスポッ
トライトを手に取って熱心に観察する参加者
の姿が印象的でした。ツアー中には、アンソ
ニー・カロやマルタ・パンなど、リニューア
ル休館中に行われた屋外大型彫刻作品の修
復・設置経緯についても詳しく解説いただき
作業当時の多大なご苦労がしのばれました。
11:00~11:50 反射防止(低反射)フィルムに関するプレゼン
全国美術館会議賛助会員である日油株式会社の西脇裕次郎さんから、反射防止フィルムの開
発経緯や基本構造、同社製品の「リアルック」「エアライク」の施工例について紹介いただき
ました。
12:10~12:15 連絡事項等
・次回会合は2月頃に島根県立石見美術館で開催予定です(事務幹事より)。
・川崎市民ミュージアムに関して、今後、当部会に救援活動に係る何らかの協力要請がなされ
る可能性があります(部会長より)。
9:30~11:00 バックヤードツアー

企画幹事・鎮西さんのご案内により、展示
室(コレクション展)、収蔵庫(油彩/
紙)、トラックヤード、物品庫などを見学し
ました。
物品庫では、新たに導入されたLEDスポッ
トライトを手に取って熱心に観察する参加者
の姿が印象的でした。ツアー中には、アンソ
ニー・カロやマルタ・パンなど、リニューア
ル休館中に行われた屋外大型彫刻作品の修
復・設置経緯についても詳しく解説いただき
作業当時の多大なご苦労がしのばれました。
11:00~11:50 反射防止(低反射)フィルムに関するプレゼン
全国美術館会議賛助会員である日油株式会社の西脇裕次郎さんから、反射防止フィルムの開
発経緯や基本構造、同社製品の「リアルック」「エアライク」の施工例について紹介いただき
ました。
12:10~12:15 連絡事項等
・次回会合は2月頃に島根県立石見美術館で開催予定です(事務幹事より)。
・川崎市民ミュージアムに関して、今後、当部会に救援活動に係る何らかの協力要請がなされ
る可能性があります(部会長より)。
(報告者:岩手県立美術館 根本亮子)
出席者
1日目:部会員14名、オブザーバー6名、事務局1名
2日目:部会員15名、オブザーバー3名、賛助会員1名、事務局1名
2日目:部会員15名、オブザーバー3名、賛助会員1名、事務局1名