「第14回災害対策委員会」及び「大災害における本部館・副本部館連絡網会議」が開催されました(報告)。
第14回災害対策委員会及び大災害時における本部館・副本部館連絡網会議報告
第14回災害対策委員会
日 時:2025年11月18日(火)11:30~13:00
会 場:愛知芸術文化センター12階 アートスペースA
出席者:委員8名、事務局2名
◉内容
全国美術館会議の大災害時における要綱と実施要領は、1998(平成10)年に施行から数度の改定を経ているが、2020(令和2)年に国の文化財防災の拠点として独立行政法人国立文化財機構文化財防災センターが設置されたことを受けて、改めて全国美術館会議としての災害時の活動を現実に即したかたちで整理し、併せてさまざまな用語の不統一を修正すべく、大幅な改正案を作成している。この改正案について、委員と事務局間で検討した。
日 時:2025年11月18日(火)11:30~13:00
会 場:愛知芸術文化センター12階 アートスペースA
出席者:委員8名、事務局2名
◉内容
全国美術館会議の大災害時における要綱と実施要領は、1998(平成10)年に施行から数度の改定を経ているが、2020(令和2)年に国の文化財防災の拠点として独立行政法人国立文化財機構文化財防災センターが設置されたことを受けて、改めて全国美術館会議としての災害時の活動を現実に即したかたちで整理し、併せてさまざまな用語の不統一を修正すべく、大幅な改正案を作成している。この改正案について、委員と事務局間で検討した。
大災害時における本部館・副本部館連絡網会議
日 時:2025年11月18日(火)14:00~16:30
会 場:愛知芸術文化センター12階 アートスペースA
出席者:広域ブロック館17館20名(うちオンライン11名)、発表者1名、委員8名、事務局2名、オブザーバー4名
◉内容
・報告 事例報告① 「能登半島地震被災文化財レスキューの状況について」 石川県教育委員会事務局文化財課担当課長 安英樹氏
事例報告② 「ブロック内での災害時連絡訓練の課題について」 国立国際美術館主任研究員 小川絢子氏
・意見交換
・その他
災害対策委員会では、「大災害時における連絡網実施要領」に定める日常的業務の一環として、防災のためのネットワーク構築と情報交換を目的に、2年ごとに広域ブロック本部館・副本部館の担当者による連絡網会議を開催している。
2025(令和7)年度は、事例報告として、いまなおレスキュー活動が続く「令和6年能登半島地震」の現況について、石川県の担当部局として文化財の対応にあたられてきた安英樹氏にご発表いただいた。この地震では文化施設も多数被災したが、文化財レスキューとしては社寺や個人宅からの要請が大半であること、インフラの復旧に時間を要していること、未指定文化財の文化財的価値の把握に課題があることなど、わかりやすくご説明いただいた。
また、2023(令和5)〜2024(令和6)年度の近畿ブロック本部館を務めた国立国際美術館の小川絢子氏には、近畿ブロックで連絡訓練を試みるにあたって、各館の担当者や連絡先の把握とメーリングリストの作成から始めたものの、連絡網の存在や訓練自体の周知、各館が希望する連絡手段の把握など、訓練実施のための前提の部分に多くのハードルがあった点を報告いただいた。地域によって館同士の横のつながりや災害に対する意識には大きな差があり、担当職員が数年ごとに異動で代わるケースも散見されるため、地道な周知が必要であるという課題が浮き彫りとなった。
その後の意見交換では、各ブロックの状況を報告いただいた。連絡手段については、個人メール、館の代表メール、防災用の個人メール、FAX、あるいはこれらを複数組み合わせるなど、ブロック内の実情に合わせてさまざまな手段が用いられている。FAXは情報を一元化し、貼り出して一覧化しやすく、情報漏洩のリスクも低いというメリットがあるものの、ペーパーレス対応の新しい機種も普及しているなど、課題も指摘された。また、メールを利用しているブロックでは、添付ファイルは受け手の環境によって開けない場合があるため、質問を本文に記載するなど、細やかな気配りも見られた。訓練実施の有無や時期についてもブロックごとにさまざまだが、地理的な条件や加盟館の数などを含めてブロックごとに大きく異なる実態をまずはお互いに把握できた点で、有意義な意見交換となった。
また、会員館以外の近隣文化施設等の状況把握をどこまで・どのように実施すべきかについても議論があった。迅速な対応が求められるなかでは、横のつながりも重要だが、日本博物館協会など他の組織との大枠での連携も必要だという意見があった。
また、美術館の日頃の備えについての質問に対し、全国美術館会議ウェブサイトの災害対策ページの「災害に備える」「会員館が準備しておくべき資機材」等について紹介した。
その他として、災害対策委員会から川崎市市民ミュージアムの文化財レスキューの現況についての報告、東京文化財研究所が文化財害虫のニュウハクシミに対するベイト剤配布を実施していることの周知、大災害時における要綱と実施要領の改正のポイントについての説明を行った。
日 時:2025年11月18日(火)14:00~16:30
会 場:愛知芸術文化センター12階 アートスペースA
出席者:広域ブロック館17館20名(うちオンライン11名)、発表者1名、委員8名、事務局2名、オブザーバー4名
◉内容
・報告 事例報告① 「能登半島地震被災文化財レスキューの状況について」 石川県教育委員会事務局文化財課担当課長 安英樹氏
事例報告② 「ブロック内での災害時連絡訓練の課題について」 国立国際美術館主任研究員 小川絢子氏
・意見交換
・その他
災害対策委員会では、「大災害時における連絡網実施要領」に定める日常的業務の一環として、防災のためのネットワーク構築と情報交換を目的に、2年ごとに広域ブロック本部館・副本部館の担当者による連絡網会議を開催している。
2025(令和7)年度は、事例報告として、いまなおレスキュー活動が続く「令和6年能登半島地震」の現況について、石川県の担当部局として文化財の対応にあたられてきた安英樹氏にご発表いただいた。この地震では文化施設も多数被災したが、文化財レスキューとしては社寺や個人宅からの要請が大半であること、インフラの復旧に時間を要していること、未指定文化財の文化財的価値の把握に課題があることなど、わかりやすくご説明いただいた。
また、2023(令和5)〜2024(令和6)年度の近畿ブロック本部館を務めた国立国際美術館の小川絢子氏には、近畿ブロックで連絡訓練を試みるにあたって、各館の担当者や連絡先の把握とメーリングリストの作成から始めたものの、連絡網の存在や訓練自体の周知、各館が希望する連絡手段の把握など、訓練実施のための前提の部分に多くのハードルがあった点を報告いただいた。地域によって館同士の横のつながりや災害に対する意識には大きな差があり、担当職員が数年ごとに異動で代わるケースも散見されるため、地道な周知が必要であるという課題が浮き彫りとなった。
その後の意見交換では、各ブロックの状況を報告いただいた。連絡手段については、個人メール、館の代表メール、防災用の個人メール、FAX、あるいはこれらを複数組み合わせるなど、ブロック内の実情に合わせてさまざまな手段が用いられている。FAXは情報を一元化し、貼り出して一覧化しやすく、情報漏洩のリスクも低いというメリットがあるものの、ペーパーレス対応の新しい機種も普及しているなど、課題も指摘された。また、メールを利用しているブロックでは、添付ファイルは受け手の環境によって開けない場合があるため、質問を本文に記載するなど、細やかな気配りも見られた。訓練実施の有無や時期についてもブロックごとにさまざまだが、地理的な条件や加盟館の数などを含めてブロックごとに大きく異なる実態をまずはお互いに把握できた点で、有意義な意見交換となった。
また、会員館以外の近隣文化施設等の状況把握をどこまで・どのように実施すべきかについても議論があった。迅速な対応が求められるなかでは、横のつながりも重要だが、日本博物館協会など他の組織との大枠での連携も必要だという意見があった。
また、美術館の日頃の備えについての質問に対し、全国美術館会議ウェブサイトの災害対策ページの「災害に備える」「会員館が準備しておくべき資機材」等について紹介した。
その他として、災害対策委員会から川崎市市民ミュージアムの文化財レスキューの現況についての報告、東京文化財研究所が文化財害虫のニュウハクシミに対するベイト剤配布を実施していることの周知、大災害時における要綱と実施要領の改正のポイントについての説明を行った。
(報告者:愛知県美術館 副田一穂)