地域美術研究部会過去の活動

日時
2014年11月11日(火) ~2014年11月12日(水)
場所
名古屋市美術館(講堂、収蔵庫)、岐阜県美術館(講堂、収蔵庫)

第1回地域美術研究部会会合報告

 地域美術研究部会第1回会合は、名古屋市美術館、岐阜県美術館を会場として、2日間にわたり開催された。1日目は、まず名古屋市美術館で開催中の「ゴー・ビトゥイーンズ」展+名品コレクション展Ⅱを見学。開会後、鍵岡正謹部会長(岡山県立美術館長)の挨拶、山田諭部会幹事(名古屋市美術館)の趣旨説明を行った。
 
 1日目の発表は、山田諭氏による「名古屋の近代美術史(洋画編)」。浪越美術会、名古屋洋画研究所という名古屋の美術の出発点となった画塾からハレー洋画会、東洋美術協会、そしてサンサシオンに至る名古屋の洋画壇の系譜を作品に即して紹介いただいた。山田氏による名古屋の洋画壇に関する綿密な調査研究に対しては、参加者から「自館の調査研究にとって有益である」との意見が多くあがった。
 その後、収蔵庫にて、山田氏の発表の中で紹介された作品を実見した。スライドで見たものと色調などが、かなり異なっており、やはり実作品を観ることの大切さに改めて気づかされた。
 休憩後、討論「地域美術の調査・研究の方法について」。ここでは、地域美術の調査研究及び文献・資料の共有化の方法、作家・作品の位置づけ、作品の保存・修復、継承など、様々な視点から議論が行われた。 
 2日目は、会場を岐阜県美術館に移して開催した。同館岡田潔学芸部長の挨拶後、廣江泰孝氏の発表「飛騨の美術-明治以降の新展開」。本発表では、「飛騨の今昔」展、「武田由平」展などの成果をもとに、飛騨の美術の中で、白川琴水、三島富丸など洋画を中心に作家・作品を紹介いただいた。作品・資料を調査する際に、地域の中に入り込むことがいかに難しく、大切であるかを考えさせられた。また作品の保存・修復、継承の必要性も感じた。その後、収蔵庫にて、発表の中で紹介された作品を実見。

 今回の会合では、出席者がすべて学芸員であることから、実作品を観ることに重点をおいた。この点は、他の研究会にない意義深い特色である。討議「今後の活動計画について」では、今後の部会活動として、年に1~2回程度、各ブロックで、部会・研究会を開催する。来年度は、福島で総会が開催されるので、それに合わせて、福島、郡山で部会を開催してはどうか。また、本部会の成果物として、今回の発表を文章化して、ホームページ等で公開することで、より多くの賛同者を募っていくことなどが話し合われた。閉会後、「今をいろどる~現代日本画の世界」展+常設展を見学した。
(部会幹事 泰井良 静岡県立美術館)

出席者:21名

部会長:鍵岡正謹(岡山県立美術館館長)
部会幹事:山田 諭(名古屋市美術館) 
部会幹事:泰井 良(静岡県立美術館)
増渕鏡子(福島県立美術館)
木南憲一(駿府博物館)
廣江泰孝(岐阜県美術館)
松岡美紗(岐阜県美術館)
佐野まなか(岐阜県美術館)
平井章一(京都国立近代美術館)
山梨俊夫(国立国際美術館)
川浪千鶴(高知県立美術館)
吉田衣里(茨城県近代美術館)
折井貴恵(川越市立美術館)
可児光生(美濃加茂市民ミュージアム)
和歌由花(美濃加茂市民ミュージアム)
河合志穂(稲沢市荻須記念美術館)
神谷剛生(刈谷市美術館)
喜田早菜江(清州市はるひ美術館)
小川知子(大阪市新美術館建設準備室)
村山閑(オブザーバー 多治見市モザイクミュージアム)
小林豊子(全国美術館会議事務局) 
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