川崎市市民ミュージアムの救援活動の再開について

 既にお伝えしておりました川崎市市民ミュージアム(KCM)のレスキュー活動が、予定どおり、11月22日(月)に再開されました。これまで国立文化財機構、日本博物館協会、神奈川県博物館協会、文化財保存支援機構(JCP)などの団体のKCM支援が継続されており、これに全国美術館会議がもう一度加わったことになります。
 全国美術館会議は「美術文芸部門」の、水損したまま冷蔵保管されている明治期版画の応急処置に携わっています。登録していただいた方々の参加可能な日程と作業予定日を事務局がすり合わせ、今は、関東ブロック・東京ブロックの会員館学芸員と保存研究部会員の中から、一日最大3人ずつを派遣しています。水損した版画の取扱いに習熟している学芸員はほとんどいないわけですが、KCMの保存担当学芸員やJCPの方々の指導や助言をもらいながら、一点ずつ包装を解いて通風乾燥できるように準備する作業を行っています。KCMの受入体制も整えられ、作業に集中できる現場ができあがっています。緊急度の高かった被災直後の状況を知る方々には想像がつきにくいかと思いますが、落ち着いた環境の「アトリエ」でのコツコツとした作業が当面のあいだ続きます。
 いまだ応急処置を必要とする作品・資料が数多く残されていることから、来年度以降も全国美術館会議が支援を継続していく可能性があります。また、登録者の負担を平準化させて安定的にこの支援を継続させるためにも、できる限り多くの皆さまのご参加を期待しております。今後、関東ブロック・東京ブロック以外の全国の会員館学芸員のご参加を募ることになろうかと思います。
 また、KCMへの派遣にあたっての旅費は川崎市が負担しますが、経理処理の簡素化を図るため、全国美術館会議が一時的に立て替えて皆さまに実費をお支払いするようにしています。
 引き続き、KCMレスキューの状況経過を本サイトに掲載していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

  2021年11月26日

                            全国美術館会議災害対策委員会
副委員長 貝塚 健(アーティゾン美術館学芸員)

救援活動登録票(PDF:103.7KB
 

救援活動登録票の返送先及び問合せ先

全国美術館会議事務局
 ファクス:03-6272-8558
 電子メール:info(a)zenbi.jp [(a)を@に変更してください]
 
Copyright © 2011 The Japanese Council of Art Museums All Rights Reserved.