教育普及研究部会過去の活動

日時
2009年3月5日(木) ~2009年3月6日(金)
場所
3月5日 山口県立美術館3月6日 山口市情報芸術センター/渡辺翁記念会館

第34回教育普及研究部会会合報告

内容

 今回の教育普及研究部会では、山口県立美術館の教育普及活動の事例報告をメインに、山口県下の施設の教育普及活動について見聞きしました。1日目は、山口県立美術館にて当部会幹事で、山口県立美術館学芸員の前田淳子氏が、同館の教育普及活動を紹介しました。同館では、企画展ごとにさまざまな教育普及活動を行っているのですが、小説やおみくじなどユニークであっと驚くような手法を使って、こどもから大人まで、さまざまな人たちへのアプローチを試みているとのこと。一方で、「みる・しる・しらべる」シリーズという、1点の作品を多角的な視点から鑑賞の糸口をつかめるようなティーチャーズガイドも作成しており、これは「調査・研究」という美術館(博物館)の活動をフルに生かした教育普及ツールとして非常に興味深いものでした。次に、萩博物館の副館長・樋口尚樹より、同館で活動するNPOおよびボランティアについて聞きました。同館では、清掃・警備・監視・レストラン業務などをNPOに委託しており、そのNPOが、さらに博物館を、さらに言うと学芸員の業務をサポートするさまざまなボランティア活動を行っているとのことです。また、委託業務は有償で、その他のサポート活動は無償とのことでした。有償と無償のボランティアが混在していることや、そもそも警備や監視業務をボランティアにまかせていいのか?という問題も含めて、非常に多種多様な活動を行っていることに、参加者はみな興味をひかれたようでした。
 翌日は山口市情報芸術センターに出向き、教育普及担当の会田大也氏に、同センターの教育普及活動についてお話を伺いました。メディア・アートを扱う同センターだけに、ワークショップなども携帯電話やWEBを使用したもので、美術館とは一味違った内容でしたが、しかし、教育普及活動に対する基本的な考え方は当部会の中でしばしば話し合われるものとそう変わりない印象を受けました。
 その後、希望者のみで村野藤吾が建築設計した、宇部市にある渡辺翁記念会館を見学に行きました。
 今回、特に興味深かったのが、山口県立美術館を始め、どの施設も教育普及担当者が1人で活動をひっぱっているのではなく、かなり強力なチームワークを発揮して活動を成り立たせているところです。
 残念ながら今回の会合は、会の正式なメンバーの参加が非常に少ないものでした。ですが、若いエデュケーター・学芸員が、オブザーバーで参加しており、会として新たな動きもあったように思いました。
(報告者 大原美術館・鬼本佳代子)

参加部会員

39人
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