教育普及研究部会過去の活動

日時
2013年11月14日(木) ~2013年11月15日(金)
11月14日14:30~、11月15日10:00~
場所
国立西洋美術館(14日)/三井記念美術館(15日)

第42回教育普及研究部会会合報告

 2013年度1回目の会合は、東京で開催した。
 1日目は上野・国立西洋美術館の講堂を会場に、5年ほど前から継続的に行っている美術館の教育普及の草創期に関するインタビューを実施した。今回お話を伺った竹内順一氏(永青文庫館長)は、五島美術館で長く学芸員として務める間に古美術の分野における教育普及活動を幅広く展開しただけでなく、専門の異なる学芸員や大学で博物館学を教える研究者たちと広く交流・意見交換を活発に行いながら目指すべき博物館・美術館像を探り、“第三世代の博物館”という言葉を提唱したことでも知られている。この言葉は伊藤寿朗『ひらけ、博物館』(岩波ブックレットNo.188)の中で紹介されているので詳しくはそちらを参照されたい。今回のインタビューでは1960年代後半の美術館業界の状況から、所蔵品を用いたお茶会をはじめとする各活動のねらい、その基盤となった考え方等を詳しく聞くことができた。インタビュー内容はいずれ会員館の皆さんと共有できる形に整える予定である。
 2日目は日本橋の三井記念美術館へ会場を移し、教育普及員の亀井愛氏から自館で行っている教育普及の理念と実際の活動及び他団体との多彩な連携事業について説明を受けた。日頃から美術館の役割や教育普及の意義を丁寧に分析・言語化し、館の内外へ絶えず説明に回って活動への理解を得るその努力はどの館においても必要なことだが、学ぶ点が非常に多かった。また日本橋という老舗の多い地域、またビジネス街という特性を生かした連携事業はユニークであった。レクチャー後は歴史ある美術館の建物にも注目しながら、特別展「国宝“卯花墻”と桃山の名陶―志野・黄瀬戸・瀬戸黒・織部―」を見学した。
 2日目の午後は、三井記念美術館と連携して「茶陶三昧キャンペーン」を展開している根津美術館や五島美術館へ各自が足を伸ばした。
(報告者:名古屋市美術館 清家三智)

出席者

会員22名
オブザーバー5名
事務局1名
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