小規模館研究部会過去の活動

日時
2009年12月10日(木)
場所
一宮市三岸節子記念美術館 講義室

第30回小規模館研究部会会合報告

第30回-1 小規模館研究部会研修会 「著作権を学ぶ ~基礎から実践まで~」

1.日 時 平成21年12月10日(木)12:50~18:00
2.場 所 一宮市三岸節子記念美術館 講義室
3.出席者 加盟館:19館25名(含・嶋崎部会長)
加盟希望館:2館3名
オブザーバー:12館15名
全国美術館会議事務局:1名
4.内 容 講義1「著作権の基礎知識」
講師:文化庁長官官房著作権課著作物流通推進室 管理係長 南川貴宣氏
※質疑応答
講義2「海外の著作権の基礎知識」
講師:骨董通り法律事務所 弁護士 北澤尚登氏
         ※質疑応答、会場ディスカッション

出席者

嶋崎部会長、加盟館20館21名、オブザーバー2館2名、事務局1名

報告

 第30回小規模館研究部会の今回の研修会は、「著作権を学ぶ~基礎から実践まで~」と題し開催しました。多様化・複雑化する著作権に関して、私たち小規模館も多くの場面で様々な対応を迫られています。今回は、特定の著作権者と緊密に関係する個人美術館を多くメンバーに持つ当部会の事情も踏まえて、著作権を学ぶことと実践での活用を目的とした内容としました。また、この研修会開催にあたり、加盟館に著作権に対する事前アンケートを行いました。
 まず講義1の「著作権の基礎知識」では、文化庁長官官房著作権課著作権物流推進室 南川貴宣氏を講師とし、著作権制度の概要についてご講義をいただきました。権利の内容や保護期間、基本的な内容に加え、アンケートに沿った内容として、美術品のオリジナル等の所有者による展示や展覧会の小冊子の製作に関わる留意点など、基本的な内容をお話いただきました。質疑応答では、編集著作物に関する著作権の許諾範囲や、写真作品の映り込みによるプライバシーの侵害と展示権、作家のサインや手紙の著作権の存否などについて様々な意見が交わされました。
 また講義2の「海外の著作権の基礎知識」では、骨董通り法律事務所 弁護士北澤尚登氏を講師とし、著作権契約の締結における留意点と事前アンケートに対する回答を中心にご講義をいただきました。契約締結についての総論のあと、契約条項別に適用される法令や判例を盛り込んだ内容へと移り、海外の著作権契約における意識の相違と注意点をお話いただきました。アンケートに対する回答では、著作者人格権やパブリシティ権など各館が持ち寄った問題にご返答をいただき、会場ディスカッションでは時間を延長してより実践的なお話をいただきました。
事前アンケートの結果を各講師の方にお渡しした結果、それぞれの講義内容に回答を盛り込んでいただけましたので、著作権に関わるそれぞれの立場による解釈の違いを実感していただけたように思います。また、加盟館に加えオブザーバーとして多くの方々にご参加いただけたことは、著作権への関心の高さはもちろんのこと、どの館でも身近な問題として著作権に取り組んでいる様子が伺えました。

○第30回-2 小規模館研究部会会合

1.日 時 平成21年12月11日(金)10:00~16:30
2.場 所 一宮市三岸節子記念美術館 講義室
3.出席者 加盟館16館18名(含・嶋崎部会長)
加盟希望館2館4名
オブザーバー3館3名
全国美術館会議事務局1名
4.内 容
自己紹介及び各館の活動・近況報告
平成21年度西ブロック幹事館の交代について
 華鴒大塚美術館 → 高梁市成羽美術館
小規模館研究部会加盟継続のアンケート結果について
 岩手町立石神の丘美術館、北鎌倉葉祥明美術館の加盟承認など
平成22年度の活動案について
 第31回会合 平成22年5月28日(金)全国美術館会議総会時(予定)
       場所 国立国際美術館
 第32回会合 平成22年12月8日・9日(予定)
       場所 高崎市美術館・高崎市タワー美術館
       ※研修内容提案:(1)広報活動について
               (2)教育機関との連携について
その他
◎共同展覧会について、ミュージアムグッズの委託販売について
近隣の情報マップについて、今後の活動内容、情報交換など
加盟館名簿の確認
近隣美術館の見学会(午後からバスにて)
メナード美術館・稲沢市荻須記念美術館

報告

第30回会合は上記内容のようになりますが補足として、マリー・ローランサン美術館、神戸市立小磯記念美術館より共同展覧会「マリー・ローランサンと1920~30年代の日本、フランス展」の提案、加盟館によるミュージアムグッズの委託販売の交流についてなど、部会活動の提案が活発にありました。
 午後からは近隣美術館2館(メナード美術館、稲沢市荻須記念美術館)の見学会を開催しました。各館担当者から概要説明を聞き、展示作品や建物などをじっくりと見てまわりました。
 こうして2日間におよぶ会合は終了しましたが、参加者は時間を惜しんで情報交換やそれぞれの問題点を話し合いながら、自館の活動へつながる活力を得ました。
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