「美術館の原則と美術館関係者の行動指針」を掲載しました。

 美術館を取り巻く社会情勢が厳しく、さまざまな問題、課題が降りかかっている状況にあって、いま、全国美術館会議は、美術館とはどういうものか、どうあるべきかを、美術館にかかわる職員・関係者に対して、また広く社会に対して表明することが重要であると考え、美術館運営制度研究部会を中心に美術館のあるべき姿を示す文書の作成に当たってきました。本年5月25日に開催された第66回全国美術館会議総会で、理事会での承認を受け理事会提案「美術館の原則と美術館関係者の行動指針(第10草案)」(以下「原則と行動指針」)が議決を経て採択されました。
 この「原則と行動指針」については、作成の是非の検討を始めてからおよそ5年が経過しています。その間、全会員館へのアンケートの実施、何回にも亘る美術館運営制度研究部会内での草案の検討、理事会、各部会からの意見聴取、第30回学芸員研修会での討議、第65回総会での特別セッションでの議論、機関誌『ZENBI』への第9草案の掲載など、会員館職員からの意見を寄せていただく機会をできるだけ多くもちながら、草案への意見反映と修正を施してきました。こうした文書の作成・公表に対する異議もあり、また、反映が叶わなかった意見も多くありました。しかし美術館運営制度研究部会は、提案文書が議決時に圧倒的ともみなせる賛成多数で採決されたことに鑑み、これ以上修正せずに公表するべきだと考え、採択された文書を冊子にする準備をしています。ただし、不十分な点、状況の変化に対応すべき点など、将来修正が必要になることも大いにあると思われますので、現時点での「原則と行動指針」は原則5年ごとに見直す機会を設けていきます。
 総会での採択に伴い、ここに全文をウェブ上に掲載し、皆様にお知らせいたします。今後部会を中心に、本年度中に冊子にして皆様に配布することを目指して作業を進めてまいります。

  2017年9月10日

全国美術館会議会長 建畠 晢
美術館運営制度研究部会長 山梨俊夫
「美術館の原則と美術館関係者の行動指針」(PDF:1.3MB
Copyright © 2011 The Japanese Council of Art Museums All Rights Reserved.