全国美術館会議について
会長あいさつ
法人としての再出発
周知のように法人化は全美の長年の懸案であり、総会や理事会において度々議論されてきました。年々参加数が増大してきており、400 館に近い会員を有する現状は、名実ともに全国の国公私立の美術館を代表する団体と見なされています。専門委員会や各研究部会が意欲的に活動しており、また度重なる自然災害の被害を受けてきた各地の美術館へのレスキュー活動にも取り組まなければならない近年の状況からも、また財務管理の面においても、法人格を持つ団体への移行が急がれていたのです。
今回の法人化に伴って、任意団体としての全美は6月28日の総会をもって解散されました。新型コロナウイルス禍の状況を受けて新旧の全美正会員からの議決権行使書を得て開催されました総会及び経緯の詳細については、本誌の「事務局から」(p.32)をご覧ください。
全美の活動内容自体は新法人にもそのまま継承されますが、美術館にも大きな影響をおよばしているコロナ禍に対応した新たな取り組みも必要になろうかと思われます。法人としての中長期的な方針についても、時期を置かずに検討を始めなければなりません。正会員(正式名称は社員)の皆さまの、これまでにも増したご理解とご協力をお願い申し上げます。
なお現在、法人事務局は従来どおり国立西洋美術館内に置かれていますが、同館の改修工事が予定されており、今秋には移転しなければならなくなりました。移転先等については改めて理事会にお諮りいたします。
また京都の開催が予定されていた今年度の総会は上記のように議決権行使書による実施という異例の方法によらざるをえませんでしたが、来年度は予定を順延し同じ京都で6 月に開催されることになりました。新体制のもとで正会員が初めて顔を合わせる総会であり、協議を要する事項や報告事項も多く、また相互の親睦を深める意味でも積極的にご参加いただくことを念願しております。
2020年6月29日
一般社団法人全国美術館会議 会長 建畠 晢(埼玉県立近代美術館長)