彫刻原型と鋳造の管理に関するワーキンググループ(使命を終えて解散)

彫刻作品のなかで、ブロンズ像など鋳造過程を経て制作されるものは、その技法的特質から複数の作品を制作することが可能であるため、作者自身の管理を受けず承認も得ないままに、さまざまな意図による鋳造が行なわれ、その結果、著作物としての正当性に問題のある鋳造品が「作品」として美術館や博物館(以下、美術館)に収蔵・展示されるに至っているという現状があります。
 BWGでは、国内の美術館が収蔵・展示の対象とする「鋳造技法を用いて制作された彫刻作品」について、その著作物としての正当性を保証することで、総ての人々が安心して作品を鑑賞し研究の対象とできるよう、そして作家の権利と名誉を守ることができることを目標に、彫刻の鋳造と原型管理の望ましい在り方を検討してきました。
 平成14年2月14日、15日の両日に、愛知芸術文化センター(アートスペースA)にて、「鋳造彫刻作品の収蔵・展示と鋳造管理に関する望ましい在り方ついて」というテーマのもと、BWGが主体となり全国美術館会議の第17回学芸員研修会を開催しました。そこでは、鋳造技術の紹介や日本の近代彫刻の鋳造に関する問題点の指摘、あるいはフランスにおける鋳造規定や宮城県美術館の佐藤忠良作品の原型管理規定などを紹介した上で、BWGとして、すべての美術館関係者が留意すべき倫理的な規範として作成した提言を、説明を加えながら示しました。
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